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抜き出し問題part4「問題のレベルを見抜こう!」ー塾で教える解法、全部見せますー

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

抜き出し問題のレベルを見抜こう!

今回で、抜き出し問題の解法については最終回となります。
これまで、「抜き出し問題には関わるな!」「抜き出しの基本」「抜き出し問題の裏技」と題して、抜き出し問題に対してどのようにアプローチするべきかをお話してきました。

今回は、抜き出し問題の難易度についてのお話をしたいと思います。

これまでにもお話ししてきたように、我々が国語のテストを作るときは、様々な形式の問題を、様々な難易度で用意するように心がけます。
なぜなら、入試までにできるだけ多くの問題のパターンに親しんでもらうことで、対応力を高めておきたいからです。

よくあるパターンなのですが、抜き出し問題は字数が限定されることが多い(~字で抜き出せ)ため、力業で「それっぽい内容で、字数に合うものを」探すことが多いです。
たしかに、そのやり方で偶然答えにたどり着くこともあるのですが、制限時間を有効に使っているとは言えません。

読解問題を解くときは、
①答えの内容を推測する
②答えの場所を推測する
③本文から使えそうな場所をチェックする
④形式(記述・抜出・選択)に合わせて答える

という流れで考える必要があるので、ただ闇雲に答えを探す方法は、最後の手段としてとっておき、まずは論理的に上記の①~④のステップを踏むようにしましょう。

テストを作る我々は、受験生がこの①〜④のステップを正しく踏めるような作問をします。
その際、難しい問題にするときは、①〜④のどこかに落とし穴を用意するわけですね。
落とし穴を増やせば、当然正答率は下がります。
抜き出し問題で正解する力をつけるには、その問題のどこに落とし穴があり、どのくらいのレベルなのかを知った上で、間違えた問題の直しをしていく必要があるのです。

抜き出し問題のレベルはどう決まる?

f:id:masa2001to2002:20170823033111j:plain
この表は、抜き出し問題のレベルを確定するときに私が使用しているものです。
Aが最も易しく、Dが最も難しい問題ということです。
次に、項目ごとの説明をします。
「近」…答えの材料になる場所が、傍線部から比較的近くにある場合。近ければ近いほど難易度は下がる。
「遠」…答えの材料になる場所が、傍線部から比較的遠くにある場合。遠ければ遠いほど難易度は上がる。
「場所の推測〇」…本文の構成から、「答えはだいたいこの辺りにあるだろう」という推測が可能な場合。
「場所の推測×」…本文の構成から答えの場所を判断しても、その場所に答えが無かったり、もしくはそもそも推測ができない場合。
「内容の推測〇」…答えるべき内容がどのようなものかが推測可能な場合。
「内容の推測×」…答えるべき内容の推測が難しい場合。

以上のような点から抜き出し問題を分析し、問題をADの四つのレベルに分類するのです。
Aは90%の受験生が正解するもの。
Bは70%の受験生が正解するもの。
Cは40%の受験生が正解するもの。
Dは正答率が20%を切るもの。
このように問題にレベルをつけると、テスト全体の正答率の予測を立てることができます。
例えば、ADまで、それぞれ5点の問題を5問ずつ用意すると…
A→5点×5問×90%=22.5点
B→5点×5問×70%=17.5点
C→5点×5問×40%=10点
D→5点×5問×20%=5点
となり、予測正答率は55点となるわけです。

入試問題に当てはめてみよう

この方法は、入試問題を分析する際にも役立ちます。
「自分の受験する学校は、抜き出し問題が多いが、内容と場所の推測はしやすいので、先に手を付けよう」とか、「この学校の抜き出しは、場所の限定をしにくいことが多いため、後回しにしよう」といったような、傾向と対策の分析に繋がるからです。
それでは、具体的に入試問題を使用して、選択肢問題のレベルを見ていきましょう。

レベル

2017年関西創価中より
問五 -線部③「いのちよりものが大事だと思う人」はどのようになると筆者はいっていますか。本文中から十六字で書きぬきなさい。
①内容の推測…本文全体の要旨から、「いのちよりものが大事だと思う」ことを作者はマイナスだととらえている。答えの内容も、「マイナスの状態になる」ということを具体化したものだとは容易に想像できる。よって、内容の推測は〇となる。
②場所の推測…本文の流れから、答えは傍線部の後にあると考えられる。なぜなら、「いのちよりものが大事だと思う人」がどうなるかというその後の内容を探すわけだから、傍線部の前にあるのは文章の論理にそぐわないからである。
解答である「いのちを大切にすることができない」は、傍線部の二段落後と、比較的近くにある。よってレベルはとなる。

レベル

2016年樟蔭中より
問十五(2)「耳バカ」にならないために、筆者はどのようなことが必要であると述べているか。文中から十五字で抜き出せ。
①内容の推測…問題から、答えるべきは作者の意見であると推測ができる。「~が大切だ、~しなければ」といった内容であると想像できるため、内容の推測は〇となる。
②場所の推測…「耳バカ」状態を憂い、解決法を提示するという文章全体の構成から、解答は文章の後半、結論部分にあるのではないかと推測できる。
ただし、傍線部が文章の冒頭にあり、解答である「早い段階から聴く耳を育てること」は文章の最後にあるため、探しにくさがあるので、レベルとする。

レベル

2017年立命館中より
問7 筆者は、「支配」されないためにはどうすることが大切だと述べていますか、本文中から六十字以内でぬき出し、最初と最後の五字をそれぞれ答えなさい。
①内容の推測…「支配」とは誰かの影響を強く受けることをマイナスに受け取っている言葉である。「支配されないためにすべきこと」は、その反対の内容だとわかる。つまり、探すべき内容は「他の影響を受けず、自立する」的なものだとわかる。よって、内容の推測は〇となる。
②場所の推測…結論部分にあるかと思って探すのだが、最終段落とその近辺には答えが無い。よって、場所の推測は難しくなる。
また、傍線部によって指示された問題ではなく、文章全体を通して答えを考える必要があることから、答の場所は「遠い」と同カテゴリに属すると考える。
以上から、レベルとなる。

レベル

2013年四天王寺中より
問3―線②「ほんの少し気分が楽になった」のはなぜですか。解答らんにあてはまるように十五字内で抜き出しなさい。
①内容の推測…プラス方面の内容であることは推測できるが、直前の「ケイコちゃんを指で軽くつつくと」というヒントだけでは、何によってプラスの心情を持ったのかの推測はしにくい。
②場所の推測…文章の後半にはなさそうだという、ざっくりした限定しかできないため、場所の推測も難しい。
また、答えである「友だちの顔がくっきりと浮かんだ(から)」という部分は、傍線部からかなり離れたところにあるため、たどり着きにくくもある。
よってレベルはとなる。

おわりに

いかがでしょうか?
抜き出し問題は、選択肢問題や記述問題以上にきちんとした論理を組み立ててから答えを探し出さないと、ただ単に時間を空費するだけになってしまい、テスト全体によくない影響を与えることにもなりかねません。
それだけに、しっかりと「①内容の推測」と「②場所の推測」をしたうえで答えを探し出すというセオリーを身に付けておく必要があるのです。
逆に言えば、そのような方法さえ身に付ければ、ほかの受験生との差を広げる、大きなチャンスになるともいえるのです。
抜き出し問題マスターに向けて、がんばりましょう!

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お助け中学入試国語 ゆり

抜き出し問題part3「抜き出し問題の裏技」ー塾で教える解法、全部見せますー

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

抜き出し問題の裏技とは…

これまでは、抜き出し問題は、きちんとした手順で考え続ければ正解できる問題と、きちんとした手順で考えても、無理矢理問題が作られたために、答えにたどり着きにくい問題とに分かれるというお話をしました。
また、抜き出し問題において「きちんとした手順」とはどのようなものかについてお話してきました。

今回は、抜き出し問題の正解率を少しだけ・でも確実に上げてくれる裏技をご紹介したいと思います!

内容を対応させよ!

以前、読解問題には大きく分けてふた通りがあるということをお話しいたしました。
一つは、理由説明の問題。「なぜですか?」と問われるパターンです。
もう一つは、言い換え説明の問題。「どういうことですか?」と問われるパターンです。

この言い換え説明の抜き出し問題には「言い換え前と後の内容が対応しなければならない」というルールがあるということを知っておきましょう。

2016年 京都産業大附中より

問十一 「複眼でものを見る力」とは、どのような力ですか。本文中から二十五字以内でぬき出し、はじめと終わりの五字ずつを答えなさい。
→問題で与えられた言い換え前の表現を、いくつかに細分化しましょう。
すると、「複眼で/ものを見る/力」と分けられます。
抜き出すべき答えの中には、これらの内容と対応するものが絶対に入っているはずです。
「複眼」的な内容・「ものを見る」的な内容・「力」的な内容の入った二十五字以内という条件に当てはまる部分…ということで探していくと、次のような場所が見つかりました。
「他の人の考え方や価値観で、物事をとらえなおす能力」とあり、これが正解です。
「複眼」→「他の人の考え方や価値観で」
「ものを見る」→「物事をとらえなおす」
「力」→「能力」

以上のように、言い換え前と後を対応させることができます。
このテクニックをもとに考えると、見つけた部分がたとえ字数に合っていても、対応する部品が入っていなければ、他にもっとふさわしい部分があるということになるのです。

文字数の感覚を身に付けよ!

皆さんは、お子様が受験されるテストや入試問題の1行が、何文字で作られているかをご存知ですか?
たとえば…
・灘中→約65字
・甲陽中→約35字
・洛南中→約40字
・東大寺中→約60字
・四天王寺中→約45字
のように、1行がだいたい何文字くらいで構成されているかを知っておけば、「20字以内で抜き出せ」と言われた時、どのくらいの分量の部分を探せば良いかが感覚的にわかりやすいのです
ですから、第一志望の学校は、通常「赤本」と呼ばれる、英俊社より出版されている過去問集のほかに、教英出版から出版されている、実物と同じプリントの過去問集を使用して、行数・字数の感覚をつかんでおくとよいでしょう。


ここで、注意しておくべきことがあります。
次の図をご覧下さい。
f:id:masa2001to2002:20170823025925j:plain

Aのような場合であれば問題はないのですが、Bのように複数の行に答えの部分がまたがっていたり、Cのようにページをまたいでいたりする場合は、一目で答えを見つけにくいため、抜き出しが困難になります。
このように、答えが行をまたいでいる可能性も頭に置いておきましょう

さらに、抜き出し問題の字数条件には、次の三種類があることを知っておきましょう。
①「〜字ちょうどで抜き出せ」
②「〜字以内で抜き出せ」
③「〜字程度で抜き出せ」

①のように、文字数がぴったり指定された場合は問題ないのですが、②や③のように幅がある場合は、その許容範囲を知っておかなければなりません。

②の場合は、指示された字数マイナス4字までが許容範囲となります
例えば、「30字以内で抜き出せ」という条件であれば、26字までが許容範囲ということです。25字の部分を抜き出させる場合は、「25字以内」という条件にするのが普通なのです。

③の場合は、±3字までが許容範囲です。ごくまれに、±4字の問題がありますが、例外的です。
例えば、「10字程度で抜き出せ」という問題であれば、7字〜13字が許容範囲ということになります。

入試問題を例にとって

・2017年同志社香里中より
問五 -線⑥「これ」はどのようなことを指していますか。これより前の文中から二十字以内で抜き出しなさい。
答 日本の農山村から人がいなくなったこと(18字)

2016年近大附属和歌山中より
問九 本文全体を通して、筆者は「絵本」をどういうものであると考えていますか。解答欄に合うように、本文から十五字以内で抜き出して答えなさい。
答 (絵本とは、)美しい形と、美しいひびき(をそなえたものである)(12字)

2016年育英西中より
(4)-線③「やっぱり、人間が原因をつくっていたのである」とあるが、その原因の説明となる部分を本文中から五十字程度でぬき出し、解答欄に合うようにその最初と最後の五字を答えなさい。
答 戦後のエネルギー革命で、薪や炭に利用価値がなくなると、里山林は一斉に放棄され、巨木化が始まってしまった(から)(51字)

このように、どの解答も許容範囲内の字数に収まっていることがわかります。

文末に注目せよ!

先ほども述べたように、読解問題の種類は、「理由説明」と「言い換え説明」の二種類に大別されます。
抜き出し問題も例外ではありません。
どちらの種類であっても、「『〜だから』に続くように答えなさい」といったパターンの出題でない限りは、答えの文末には規則性があります。
前もって、その規則性を知っておけば、答えが見つかる可能性が飛躍的に高まります。
①理由説明の場合
「なぜですか?」と聞かれているため、抜き出すべき場所は「〜から」「〜ため」「〜ので」や、あまりないですが「〜理由」となります。
このような場合は、「〜から」みたいな所はないか!となめるように探していくことで答えにたどり着ける場合があります。

②言い換え説明の場合
→「どういうことですか?」と問われているため、抜き出すべき場所は「〜こと」になると考えられます。
他にも、「どういう人ですか?」という問題であれば「〜人」で、「どういう性格ですか?」という問題であれば「〜性格」や、性格の言葉を名詞化した「〜というやさしさ」のような言葉で終わるはずなのです。

入試問題を例にとって

2016年常翔啓光学園中より
問1 -線部①「かたづけをしたくなる特効薬」とあるが、これと同じ意味を表す部分を、解答らんに合うように文中から十七字で抜き出しなさい。
答 少しでもよく見られたいという気持ち
→「特効薬」という名詞で終わっている部分を言い換えるため、答えも名詞となる。

2016年ノートルダム女学院中より
問四「『わたし』が万引きをして、『おばあさん』に呼び止められるまで、どのような気持ちでいたのか。文中から十五字以上二十字以内のことばをぬき出して答えなさい。
答 世界から外れてしまったようなおそろしさ
→「どのような気持ち」かを抜き出す問題なので、答えの文末も「~気持ち」もしくは気持ちを表す言葉を名詞化したものになる。今回は「おそろしさ」である。

おわりに

いかがでしょうか?
今回述べた内容は、国語が得意な子であれば、経験的に身につけているものばかりです。
ですが、本当は、国語が苦手な子にこそ知ってほしいことなのです。
苦手な子には、どんなとっかかりでもいいですから、問題を解けた喜びを味わって欲しいと思います。
・言い換え前後の対応!
・字数のきまり!
・文末を合わせる!

このようなテクニックをもとに、ぜひ一問でも多く正解を積み重ねて下さい!

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お助け中学入試国語 ゆり

抜き出し問題part2「抜き出しの基本」ー塾で教える解法、全部見せますー

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

抜き出し問題はどう考える?

前回は、「抜き出し問題には関わるな!」というテーマでお話をしました。
抜き出し問題は、非常にバランスが難しい問題です。
答えの材料になる場所が、傍線部と近すぎるとすぐに見つかってしまい、点差をつけることができません。
一方で、傍線部から遠く、さらにどこにあるかの推測ができないような問題であれば、いたずらに時間を空費するだけの悪問になってしまいます。
ですから、もし1分間考えても糸口が見つからないようであれば、いったん撤退するほうがよいと思います。
とはいえ、すべての抜き出し問題が悪問というわけではないのが難しいところです。
1点でも多く得点をしなければならないテストの場面では、すべての抜き出し問題に対して撤退することはできません。
正しい作法を身に付けることで、悪問とそうでない問題を見分けることもできるのです。
今回は、抜き出し問題を考えるときの作法をお話ししたいと思います!

抜き出し問題の基本

まず理解したいことは…
「抜き出しも選択肢も記述も、入り口は同じ!」
ということです。
以前もお話しした内容なのですが、読解問題を解くときは…

①答えの内容を推測する
②答えの場所を推測する
③本文から使えそうな場所をチェックする
④形式(記述・抜出・選択)に合わせて答える

という流れで考える必要があるのです。

ですから、抜き出し問題だからといって、特別な考え方をするわけではありません。
上記の流れの①~③までは、どの形式の問題も全く同じなのです。
抜き出し問題は、答えの場所さえ発見できれば、あとは誤字脱字に気をつけてそのままコピーするだけなので、最終ステップに難しさはありません。
その代わりに、①と②のステップで難易度調整をすることが多いため、きちんとした作法を身に付けておかないと、正解にはたどり着けないのです。

入試問題を使って

実際の入試問題を使って、抜き出し問題の正しい解法を解説したいと思います。

2017年洛南高附中より

(9)―線④「この不思議な二重唱」とは、具体的にはどういうことですか。それが分かる一文を文章中からぬき出し、最初の五字で答えなさい。(、。は字数に数えます)

内容の推測をする

まずは「内容の推測」について考えましょう。
傍線部で与えられた部分の分析を始めます。
「この不思議な二重唱」とあります。
「二重唱」という部分から、答えの内容には「二人」が「歌っている」という内容が入っていると推測できます。
「二人」とは、「カラスの研究者である筆者」と「カラス」のことを示しています。
「不思議な」という部分から、答えの内容には通常ではありえないようなことが書かれていると推測できます。
さらに「具体的には」という問題条件から、筆者がカラスの鳴きまねをしたとき、カラスがその調子に応えて同じようなリズムで鳴いたという描写が答えの内容であると考えられます。
ここまでが、「内容の推測をする」という作業です。

場所の推測をする

次に、場所の推測をしましょう。
答えがある場所の推測をするためには、前もって、文章全体の構成をつかんでおく必要があります。
「文章のどこに何が書いてあったか」をつかんでおくと、答えのある場所は容易に推測できるということです。
文章構成については、以前の記事でお話ししていますので、参考になさって下さいね。
論説の細部読解part5「文章構成」 - ゆりのお助け中学入試国語!

与えられた部分の初めに「この」という指示語があるため、傍線部の直前部分に答えがあると推測できます。
しかし、指示語のセオリー通り、傍線部の直前に答えがあるとは考えにくいです。
それでは、すぐに答えが見つかってしまいますし、「カラスはこちらの音声を認識した上で、その音声に反応している―つまり、私の鳴き真似に対して返事をしているのではないか。」という内容は、「具体的」という条件とも合いません。
答えがあると考えられる場所は、筆者がカラスの鳴き真似をしている部分、つまり、傍線部がある前の三段落だと考えられます。
これで、「場所の推測をする」作業が終わりました。

答えを探す

「作者とカラスの両者が鳴いて、共鳴している」という具体的内容を、傍線部の前の三段落から探すという方向性が決まったので、あとはその方向性に合うものを探すだけです。
内容の推測も、場所の推測も比較的容易にできたため、それほど難しくはありません。
答えは、「こちらが四声鳴けば向こうも四声鳴き、『カー、カー、カアカア』と鳴けば向こうも『カー、カー、カアカア』などと途中で調子を変えて鳴く。」という部分だと考えられました。
この部分であれば、内容・場所ともに、推測したものと合っています。
問題条件に「最初の五字で答えなさい」とありますので、一文の初めの五文字を間違えずに抜き出しましょう。
答えは「こちらが四」となります。

おわりに

いかがでしょうか?
抜き出し問題とは、「内容の推測をする」ことと「場所の推測をする」ことを正しくすれば、きちんと正解にたどり着くことができるのです。
今回の例のように、推測がすぐにできた場合は、答えを探しに行く価値があります。
ただし、もしもどちらかの推測ができなかった場合は、勇気を出して撤退しましょう。
撤退するか否かの判断力は、きちんとした手順で考え続け、解答に至る筋道を整理し続けた先に身につくものです。
ぜひ、一問一問の考え直しを大切にしてくださいね。

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抜き出し問題とは一定の距離を置こう

前回までは、選択肢問題がどのように作られ、どのように対策すれば良いかについてお話ししてきました。
今回からは、抜き出し問題についてお話ししていきたいと思います。

いきなりですが…
抜き出し問題には関わらない方がいい場合がある!

始まっていきなり何を言うのかと思われたかもしれません。
せっかくの得点のチャンスを、みすみす逃すのか?と思われることでしょう。
確かに、問題を目の前にして撤退するのは勇気のいることです。

しかし、入試直前期や、抜き出し問題の多い学校の入試問題解説のときには必ず話をすることなのです。
なぜ抜き出しには関わらない方がいい場合があるのか?
今回は、抜き出し問題の性質に触れつつ、そこのところをお話ししたいと思います。

抜き出し問題の作り方

次の問題を見て下さい。

「彼は、どんな人にでも分け隔てなく接し、思いやりがある人だ。だから、皆に好かれている。」

問「皆に好かれている」とあるが、なぜか。その理由を20字程度で「から」に続くように抜き出しなさい。
→「皆に好かれている」の直前に「だから」とあるので、その前が理由になると考えられる。これで、材料のある場所がわかった
さらに、「好かれている」理由を探すのだから、プラスのことが答えになるはずだ。これで、材料の大まかな内容がわかる
以上2点を踏まえて、条件に合うように答えを探すと「どんな人にでも分け隔てなく接し、思いやりがある(から)」となる。

このように、答えが「どこにあるか」「どんな内容か」の予測を、受験生が立てることで答えにたどり着いたかを判定するための問題が、抜き出し問題なのです。

抜き出し形式の問題点

しかし、上記の問題であれば、それほど厳密に考えなくても、皆さんは答えがわかったのではないですか?
抜き出し問題は、与えられた傍線部と答えが近過ぎると、あまり考えなくても答えがわかってしまうため、受験生の能力を正しく測ることができません。
ですから、答えの場所は「適度に傍線部から離れている」必要があります。

しかも、その内容が、「抜き出した部分だけを読んだときに、文法的に正しく、そこだけで文意が通っている」必要もあります。
「私は嬉しく感じた(から)」のような部分を答えにすることはできないということです。

文章の中に、偶然上記のような条件を満たした部分があったとき、はじめて抜き出し問題は成立します。

しかし、作問者は、抜き出し問題の答えにしやすそうな部分があると、多少解答に至る論理に飛躍があっても、ついそこを使いたくなってしまうのです。
なぜなら、何百枚の答案を一日で採点し、間違いがないようにチェックした上で、合否を出さなければならない中学入試では、採点の利便性が重要視されるので、1文字でも間違っていると不正解にできる抜き出し問題は効率が良いからです。

というわけで、利便性を重視して抜き出し問題を無理に作った結果生まれるのが、「なんとなく答えの内容はわかるけれど、その答えのあるはずの場所に答えがない」問題なのです。

このような問題に出会ってしまうと…
・あるはずの場所に答えがないため、焦ってしまう
・とりあえず闇雲に答えを探すため、時間を空費してしまう
・時間を空費した割に、答えが見つからない
・他の問題に使う時間が無くなる
・得点できるはずの問題に手をつけられなくなる

という、負の連鎖が起こるのです。

もちろん、きちんと論理を組み立てることで、ずばりと正解の場所がわかるような、素晴らしい抜き出し問題も存在します。
しかし、その裏で、先ほど述べたような悪問が存在することも事実です。
ですから、得点力をつける六年生後半の指導では、「抜き出しは、よっぽどしっかり目処がついた場合以外は手を出さずに後回しにしよう!」と言うわけです。

おわりに

「抜き出し問題には関わるな!」という、びっくりするような題名の回でしたが、意図はおわかりいただけたでしょうか?
「抜き出し問題は、探すのに無理がある場合があるので、少し考えてわからなければ後回しにしよう!」
ということなのですね。

しかし、もうすこし先の指導では、逆に抜き出し問題にだけ手をつけろ!という話もするのです。
その話はまたいずれ。上着が必要になるくらいの時期にお話ししたいと思います。
お楽しみに!

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選択肢問題のレベルを見抜こう!

いよいよ、今回で選択肢問題の解法が最終回となります。
これまで、「選択肢問題の作り方」「正答率」「選択肢を分割する」等のアプローチから、正誤を判断する方法を説明してきました。
今回は、選択肢問題の難易度についてのお話をしたいと思います。

これまでにもお話ししてきたように、我々が国語のテストを作るときは、様々な形式の問題を、様々な難易度で用意するように心がけます。
なぜなら、入試までにできるだけ多くの問題のパターンに親しんでもらうことで、対応力を高めておきたいからです。

ときに、「うちの子は記述が全然できなくて…選択肢問題なら正解するんですけど…」という質問をお受けすることがありますが、それは問題の本質がつかめていないと言えます。
読解問題を解くときは、
①答えの内容を推測する
②答えの場所を推測する
③本文から使えそうな場所をチェックする
④形式(記述・抜出・選択)に合わせて答える

という流れで考える必要があるので、④だけができないというよりも、①〜③の活動が正しく行われていないことが多いのです。

テストを作る我々は、受験生がこの①〜④のステップを正しく踏めるような作問をします。
その際、難しい問題にするときは、①〜④のどこかに落とし穴を用意するわけですね。
落とし穴を増やせば、当然正答率は下がります。
選択肢問題で正解する力をつけるには、その問題のどこに落とし穴があり、どのくらいのレベルなのかを知った上で、間違えた問題の直しをしていく必要があるのです。

選択肢のレベルはどう決まる?

f:id:masa2001to2002:20170819062636j:plain

この表は、選択肢問題のレベルを確定するときに私が使用しているものです。
Aが最も易しく、Dが最も難しい問題ということです。
次に、項目ごとの説明をします。
「近」…答えの材料になる場所が、傍線部から比較的近くにある場合。近ければ近いほど難易度は下がる。
「遠」…答えの材料になる場所が、傍線部から比較的遠くにある場合。遠ければ遠いほど難易度は上がる。
「変化小」…選択肢の内容が、本文から見つけた材料とほとんど同じか、少しだけしか変化していない場合。
「変化大」…選択肢の内容が、本文から見つけた材料とはがらりと変わっている場合。具体化していたりまとめていたり、意味は同じだが別表現にしていたりといったバリエーションがある。
「消去法◯」…選択肢の部分ごとにケチをつけるところが比較的明確にわかるもの。最後の二つまで絞った後に、どちらか一方にバツをつけやすいもの。
「消去法✖️」…最後の二つまで絞っても、どちらかを決めかねるもの。明確なバツをつけることがしにくいもの。
以上のような点から選択肢を分析し、選択肢問題をADの四つのレベルに分類するのです。
Aは90%の受験生が正解するもの。
Bは70%の受験生が正解するもの。
Cは40%の受験生が正解するもの。
Dは正答率が20%を切るもの。
このように問題にレベルをつけると、テスト全体の正答率の予測を立てることができます。
例えば、ADまで、それぞれ5点の問題を5問ずつ用意すると…
A→5点×5問×90%=22.5点
B→5点×5問×70%=17.5点
C→5点×5問×40%=10点
D→5点×5問×20%=5点
となり、予測正答率は55点となるわけです。

入試問題に当てはめてみよう

この方法は、入試問題を分析する際にも役立ちます。
「自分の受験する学校は、難しい選択肢問題が多いが、消去法は有効だから、きちんとバツをつけよう」とか、「自分はこの学校の記述で得点できないが、難度も高いからしょうがない。その代わり、比較的易しいものが多い選択肢問題は必ず合わせよう」といったような、傾向と対策の分析に繋がるからです。
具体的に入試問題を使用して、選択肢問題のレベルを見ていきましょう。

レベルA

2016年龍谷大付平安中より
問5ー線③「特別な方策が必要」とありますが、その理由として最もふさわしいものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。
→ー線③をふくむ文の初めに「そこで」とあるので、「そこで」の前が理由となる。「根を地面にしっかり下ろして暮らしているので、何がおきてもそこから逃げるわけにはいきません」とあり、これと合う選択肢を見れば良い。
答えは「ア 植物はその場から動くことができないから。」である。
材料のある場所が傍線部から近く、選択肢の改変もあまりないため、レベルはAとなる。

レベルB

2017年関大第一中より
問3 ー線部①「ぼくはそこに使われている『フェア』という言葉が大好きだ」とありますが、それはなぜですか。もっともふさわしいものを次の中きら選び、記号で答えなさい。
→ー線部のすぐ後に「そこには」と指示語で始まる文がある。読んでいくと「『強弱』や『勝ち負け』の二元論を超えようとする意志が感じられるから。」とあるので、この場所が材料だとわかる。
解答は「エ 『フェア』という言葉には、相手との合意を前提にし、不釣り合いな関係を解消する姿勢が感じられるから。」であるが、材料の内容を大きく言い換えている。よって、材料は近いが選択肢の変化は大きいため、レベルはBとなる。

レベルC

2017年帝塚山中より
問8 ー6「ダニが生きていくためには、豊かさより確実さのほうが大切なのだ」とありますが、どういうことですか。その説明として最も適するものを、次の中から選んで答えなさい。
→「豊かさ」の説明は、前の段落の「匂いと体温と皮膚の接触刺激という三つだけ」という「みすぼらしさ」について述べた部分を自分で反対にして考えなければならない。つまり、「刺激をたくさん感じる」ということである。
「確実さ」の説明は、7段落も前にある「食物にありつくことができ」という部分であるため、かなり遠くに材料があるといえる。
解答は「エ ダニの生存にとっては多くの刺激を感じることより、限られた認知のなかで間違いなく食物にありつくことが大事であるということ。」となる。ウの選択肢と迷うが、前半に「刺激」の内容がないため、消去法が使える。よってレベルはCとなる。

レベルD

2017年神戸女学院中より
問八 ー線部⑦「子犬の匂いを嗅ぐように、やわらかな毛並に触れるように味わう」とはどのようなこと「表しているか、その説明として最も適当なものを選び、記号で答えなさい。
→ウの「美しく響かせる」や、エの「鋭くとらえ」は、ー線部のニュアンスと合わない。
ア「自ら奏でるピアノの音を、一音一音いつくしむように愛でること」と、イ「繊細な音の余韻を楽しむため、そっと静かに鍵盤をたたくこと」の二つは、どこかにはっきりとバツをつけることができない。
一方は◯で、もう一方は△になるような問題である。解説者泣かせである。
かなり前ではあるが、「大きな子犬と遊ぶよう」という表現があり、アとイのどちらがよりこの表現とぴったりかを考えると、アが正解と思われる。
材料が遠く、大きく変化しており、消去法も有効でないため、レベルはDとなる。

おわりに

いかがでしょうか。
ふだんはなんとなく解いている選択肢問題も、このような難易度の差があるわけです。
ですから、「選択肢問題だから解ける」というのは、国語の解き方の根本を理解できていないということになるのです。
入試問題にも、様々なレベルの問題があります。偏差値が高いからDレベルばかりが並ぶというわけではないのです。
受験生は、自分が受ける学校がどのようなレベルの選択肢問題を出題するかを前もって調べておき、対策を練っておく必要があるのですね。
そうしないと、問題の力を測りかねて、材料の見つけ方を間違えたり、考え過ぎて間違えたりといったミスが出てくるわけです。
今後の記事で、学校別・小問ごとに、レベル分けと解説を書いていこうと思っています。
お楽しみに!

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お助け中学入試国語 ゆり

選択肢問題part3「落とし穴を見ぬこう!」ー塾で教える解法、全部見せますー

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

間違いの選択肢を見ぬこう

二回前の記事で、選択肢の作り方についてお話しいたしました。
その順序は…
①正解を作る

②正解に近いが、微妙に違う選択肢を一つ作る

③明らかな誤答を二つ用意する

というものでした。

今回は、②と③のステップにおいて、どのように誤答になる選択肢を作るかをお話ししたいと思います。

正答率との関係

選択肢問題では、正解が一つであること(二つ選べ、の場合は二つ)が絶対条件となります。
正解と判断できるものが複数できてしまうと、作問ミスということになります。
ですから、確実に正解と言えるものをまずは一つ用意して、その後に、どこかでケチを付けられそうな選択肢を作って行くわけです。
その際、正解か不正解かが微妙なものばかりを作ってしまうと、正答率がぐっと下がってしまい、全体の正答率を予測しにくくなってしまうのです。
したがって、問題を解く我々は、次の二点を意識して問題を解く必要があります。
まずは、どこかに落とし穴があること。
そして、どのような落とし穴があるのかということ。

あらかじめ、これらの「ミスを誘う点」を知っておけば、落とし穴に引っかからないのは道理ですね。

間違いの選択肢の種類は?

それでは次に、間違いの選択肢にはどのようなものがあるかを整理してみましょう。

本文中に全く書いていない

2016年須磨学園中より
問八 本文の内容と合致しているものを次の中から一つ選び、番号で答えなさい。
誤答「2 人間らしい人間になることが現代社会を生き抜くための最も有効な手段であるが、その過程は猿の社会の文化と大きくかかわっていることに人間は思いのほか気づいていない。」
→選択肢前半の「人間らしい人間に~手段であるが」の部分は、本文中にそのまま書いてある内容。
しかし、後半の「その過程は猿の社会の文化と大きくかかわっていること…」の部分は、本文中に全く書かれていない。

本文とは反対の内容

2016年智辯学園和歌山中より
問三 -部①「熱い何か」とあるが、これを具体的に説明したものとして最も適切なものを次の中から選び、記号で答えなさい。
誤答「ア 他人事だと思って、勝手な考えを押しつけてくる『おばさん』への激しい怒り。」
→主人公は、-線部の前後で「おばさん」に「やるって言ってみなさい」と啓発され、その後に「二人で笑った。不思議と何とかなる気がしてきた」とあるため、「熱い何か」とは、プラス方面の心情であると考えられる。
つまり、マイナス方面のものは正反対の内容であるため、不適当であると考えられる。

本文に書いてあるが、問われた内容とはズレている

2017年東大寺学園中より
(二)-線部①「情報も同じです」とありますが、どういうことですか。その説明として最も適当なものを、次のア~エの中から一つ選んで、その記号を書きなさい。
誤答「ア 栄養バランスのとれたサプリメントだけの食事が味気ないのと同じように、簡単に手に入りすぐに活用できる情報のみを選んで取り入れるだけでは、生きる喜びは得られないということ。」
→この問題は、何が「情報」と同じなのかを考えるところから始める必要がある。
正しい内容は、-線部直前の「食べたものは大半が体から排出されます。そして、ごく一部が血肉になります。」という部分であるから、ウが正解になる。
しかし、アの「栄養バランスのとれたサプリメントだけの食事が味気ないのと同じように」の部分は、前の段落の要点である。
この部分は、本文中にはあるのだが、-線部①とは関係のない内容であるから、不適当であるといえる。

言い過ぎ表現がある

2017年奈良学園登美ヶ丘中より
問7―線⑦「あたしのほうにむきなおったばあちゃんは、にっと銀歯をみ見せて笑った」とありますが、このときの「ばあちゃん」の気持ちを説明したものとして最も適当なものを次の中から選び、記号で答えなさい。
→「100%」を匂わす表現が「言い過ぎ表現」であると考えられる。
今回は、「ア 先生のことが嫌いで反抗的な態度ばかりとっている」が不適当。そもそも文章の一部分しか切り取っていない入試問題なのだから、「ばかり」は言い過ぎとなる。

答えの内容が書いてあるが、論理関係がズレている

2016年同志社香里より
問六 この文章の内容に合うものを次から二つ選びなさい。
誤答「1 シカの駆除がおこなわれるようになってから、シカの数のバランスが崩れてきた。」
→「シカの駆除がおこなわれる」という内容は書いてあるし、「シカの数のバランスが崩れてきた」という内容も書いてある。
しかし、バランスが崩れた理由は本文中には書いておらず、「理由はよくわかっていない」と述べてある。
ゆえに「駆除→バランスが崩れる」という論理の組み立てがおかしいと考えられる。

方向性は同じだが、細かなズレがある

2017年大阪星光学院中より
問3 -線部②「わざと目をそらして、顔淵の方を見た」とありますが、なぜ孔子はこのようにしたのですか。その理由として最も適当なものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい
→孔子は、弟子である顔淵と子路を比較した時、子路の方が浅はかであることを案じ、子路を諭そうと思ったと書いてある。
ここから、正解は「ウ よく考えもせずに自分の思いを述べようとする子路をおさえて、顔淵のように深く考えさせようと思ったから。」となる。
孔子は、顔淵を評価し、子路を反省させようとしているのだから、顔淵が中心となる選択肢は、たとえ流れに合っていたとしても、不適当と言える。
誤答は「ア 立身出世することばかりを考えている子路の理想よりも、顔淵の深い考えに基づいた理想を聞きたかったから。」となる。

おわりに

いかがでしょうか?
選択肢の誤答の種類について、理解していただけたでしょうか。
今回お話ししたような誤答の種類があるということを知った上で選択肢問題を解くことができれば、前もって「落とし穴」に対する対策を立てることができます。
当然、誤答にひっかかることも少なくなるわけですね。
選択肢問題でひっかかってしまう方は、テスト直しなどをするとき、自分がひっかかった選択肢が、上記のどのパターンの誤答であるかを分析してみましょう!





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お助け中学入試国語 ゆり

選択肢問題part2「細分化しよう!」ー塾で教える解法、全部見せますー

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

「なんとなく」を脱しよう!

前回から、選択肢問題の解法テクニックについてお話しています。
選択肢問題は、とりあえず記号を書きさえすればよいので、国語が苦手な子にとっては、非常にありがたい問題だといえます。
全く何も考えず、ヤマ勘だけでも、20~25%で正解することができるのですから。
国語が苦手な子の答案だと、漢字と言語事項を少し解いて、記述と抜出は全く書かず、とりあえず最後まで記号だけ埋めてあるといったものもよく目にします。
100点中20~30点くらいになってしまう子は、だいたいこのような感じの答案ですね。
では、60点くらいを取ることができる子の答案はどうかというと…。
記述である程度部分点を取れるし、抜出も正解するものもある。
記号は、正解と不正解が半々か少し正解が多い程度。
といった感じなのです。
実は、この両者の答案は、本質的にはほとんど変わりません。
なぜなら、両者ともに「なんとなく」解いているという点では共通しているからです。
なんとなく」解くことなく、正しい手順で分析的に問題にあたることができる子は、選択肢問題は完璧に正解することができます!
今後お話していく解法のテクニックを身に付けることで、「なんとなく」の状態を脱しましょう。

選択肢作成の難しさ

さて、具体的なテクニックをお話しする前に、選択肢作成の難しさについてお話ししたいと思います。
国語の問題を作るときに、一番難しいのが、この選択肢問題なのです。
意外に思われるかもしれませんね。
国語を専門的に学習されていない方ほど、記述問題を嫌がられます。
そのため、記述問題を作ることもやはり難しいのだと思われがちです。
しかし、実は逆なのです。
良質な選択肢問題を作ることこそが、国語の問題作成で一番我々の頭を悩ませるのです!

国語の問題に答えるときは、必ず本文中から答えの材料になるものを探します。
抜出の場合は、見つけた場所をそのまま写せばよいのです。
記述の場合は、字数制限に合わせて、見つけた場所を再構成すればよいのです。
記号選択問題は、「答えの材料になるものを探す」というステップの後に、その内容と合う選択肢を探し、ほかの不適当な選択肢を精査するという作業があります。
抜出問題は、使えそうな部分があるかどうかは文章によるため、作成は難しくありません。
使えそうな部分があればすぐ問題にできますし、そうでなければかなりの工夫が必要になります。
記述問題の場合は、ほとんどの場合は答えに使えそうな場所をそのまま形を少し変えて模範を作るだけですから、これもやはりすぐ問題を作ることができます。
しかし、選択肢問題は、複数の正解が出てしまうことを防ぐために、「必ず正解といえるもの」を作った後に、絶対に正解とは言えないが、受験生は迷うであろう選択肢を作らなければならないのです。
しかも、一定の難度を保ちながら…。
この作業が、作問者には非常にしんどいのです。

そこで、作問者が使う方法。
それが、「長い選択肢を作り、そのほんの一部分だけに誤りの要素を入れる」という方法なのです。
それまで書いてある内容がどんなに正しくとも、ある一部分だけでも間違っていれば、その選択肢全体を×にすることができます。
選択肢問題を作りやすくなるので、この方法は本当によく使われます。
問題を解くときは、この手法を逆手にとって、正解を見抜けばよいのです。

選択肢を細分化しよう!

そこで、「選択肢の細分化」を行うようにしましょう!
まずは、以下の図のように選択肢をいくつかの部分に分けます。
次に、それぞれの部分に「×」をつけていくのです。
」は、明らかに本文と同じ内容を述べているもの。
×」は、明らかに本文とは逆行しているか、全く述べられていないもの。
」は、正誤の判断がつかないもの。

f:id:masa2001to2002:20170812060956j:plain
この例だと、×が一つもついていない、イが正解ということになります。
一か所でも、明らかに×である部分を見つけることができれば、その選択肢は絶対に正解ではないわけです。
エのように、が続いていたとしても、最後で×がつけば選ぶことができないということです。このテクニックを使い始めた最初は「」をつけることが多いかもしれませんが、慣れてくればどういう内容に「×」がつくのかがわかってきます。
大切なことは、選択肢問題は「なんとなく」選択肢全体を見て答えを判断するのではなく、細分化して「ケチをつけていく」ことなのです。

2017年奈良学園中より

アメリカから来た「エイダン」には幼い妹がいます。エイダンの母は、その妹の世話につきっきりになってしまっており、エイダンのランチを用意することを忘れてしまうことがあります。
問題は、主人公の真人に対して上記のような状況を打ち明けた後、真人がエイダンに自分のサンドイッチを分け与えた部分に用意されています。

問2 -線①「エイダンは、ぼくをじっと見て、あたりをきょろきょろ見回すと、ぼくの手からすばやくとって口に放り込んだ」とありますが、このときのエイダンの様子を説明したものとして最もふさわしいものを、次のア~エから一つ選び、その記号を書きなさい。

→それぞれの選択肢を細分化しながら、×をつけてみます。

「母親と妹の愚痴をぶちまけたものの」→
「いらだちが収まらず」→
「食事をとる気にもなれなかったが」→×
「『ぼく』からサンドイッチを分けてもらえそうなので」→
「『ぼく』の真意を測りかねながらもその厚意に甘えようとしている」→

「これまでの学校生活でやりたい放題にしてきた自分が」→
「『ぼく』に同情されてまでサンドイッチを分けてもらうことは屈辱的だが」→×
「何か食べたいという欲望を抑えられなくて」→
「その申し出を受け入れざるを得なくなっている」→

「妹との関係をめぐってさびしさを感じながらも」→
「周囲には意地を張ったような態度をとっていたが」→
「思いもよらず『ぼく』からサンドイッチを分けてもらえることになり」→
「周りの目を気にしながらもその親切心を受け入れている」→

「母親に昼食すら準備してもらえず空腹を抱える毎日が続いていたために」→
「『ぼく』がいきなりサンドイッチを差し出したことを不審に思いつつも」→
「ようやく食べ物にありつくことができた幸福感で我を忘れている」→×

といった感じです。
アイエの選択肢には一つずつ×の部分がありましたから、多少の場所が残っていたとしても、正解はウであるとわかりますね。

おわりに

いかがでしょうか?
一度、お子様の解かれたテストの問題用紙をご覧になってください。
今回お話ししたような、細分化と分析ができている解答用紙は少ないと思います。
「なんとなく」で解いている限りは、六割~七割の壁を超えることはできません。
「長い選択肢をいくつかに分ける!」
「分けた部分に〇×△をつける!」

圧倒的に国語を得意にするためにも、また、苦手な子が少しでも正解の可能性を高めるためにも、「細分化と分析」を繰り返し、このテクニックを自分のものにしていただきたいと思います!



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