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詩の細部読解part2「状況の省略」

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こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

状況の省略をマスターしよう!

前回に引き続き、今回も詩の細部読解についてお話しします。
詩は、ぎりぎりまで文章を削り、必要最小限の情報だけを残しているため、残された部分のつながりから、論理的に状況を推測する必要があります。

俳句などはその筆頭ですね。
日本が誇る、世界一短い詩である俳句は、極限まで言葉を削ぎ落とし、その中で世界を表現します。
その文字数は、5・7・5のたった17音!
この中に、俳人たちはできるだけ広い世界を詰め込もうとするのです。

俳句をもとに状況の省略を考えよう

『奥の細道』で有名な松尾芭蕉の句に、こういうものがあります。

「荒海や 佐渡に横たふ 天の川」

一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。
『奥の細道』の中でも、私はこの句が特に大好きです。
みなさんは、この句が描いている状況を正確に読解できますか?

この句を使って五年生・六年生を対象に授業をするなら、こういう発問をする!という流れを追って説明してみますね。

Q:季語は何ですか?
A:天の川

Q:季語が表す季節は?
A:秋(8月の言葉ですが、旧暦で読み取ります)

Q:時間は?
A:夜

Q:天気は?
A:晴れ

Q:どんな音が聞こえる?
A:激しい波の音

Q:佐渡島とは、現在何県に属している?
A:新潟県

Q:荒海とは、どの海のことを指す?
A:日本海

Q:この句で対比されているものは?
A:荒海と天の川(天地)

Q:佐渡島は、どんな目的で使われた?
A:罪人の流刑地

Q:天の川とは、誰と誰を分けている?
A:織姫と彦星

Q:では、荒海は誰と誰を分けている?
A:罪人とそうでない人

いかがでしょうか?
この句に隠された、前提となる状況を理解するには、これだけの発問が必要なのですね。
ここまで状況把握ができれば、主題の理解も容易になるのです。
実際に授業をするときも、ここまで発問した後に、子ども達自身に主題を考えさせます。
つまり、松尾芭蕉は、この句にどんな思いを込めていたのかということですね。
皆さんも少し考えてみて下さい。

天の川と荒海が天地で対応していて、荒海もまた罪人とそうでない人を隔てているのです。
いわれなき罪や権力者を批判したことにより咎人として流刑を受けた人々の悲しみや無念。
芭蕉は、荒海を渡ることができないその人々の悲しみを受け取り、せめて一年に一回でも、「こちら側」の世界へ戻ることが叶えば…と思っていたのでしょう。

そんな松尾芭蕉の優しさとともに、眼前に広がる美しい夜空と日本海の雄大な景色が、我々の心を打ちます。
俳句という詩は、5・7・5の17音に、かようにたくさんの情報を詰め込んでいるのですね。

入試問題を使って

さて、中学入試で出題される詩にも、同じように情報の省略があります。
受験生は、限られた情報をもとに、詩の全貌を自らの力で読み取らなければならないのです。

2017年芦屋学園中より

「少女よ/橋のむこうに/何があるのでしょうね」
→このような問いかけから始まる、高田敏子さんの詩からの出題でした。
この後、筆者もかつて同じ橋を、心をときめかしながら渡ってきたと展開し、最後に「むこう岸からきこえる/あの呼び声にひかれて」と締めくくられます。
少女とはいったい何歳くらいの子を指すのか。
作者は何歳くらいなのか。
橋とは何の比喩なのか。
橋がつなぐものは何と何なのか。
むこう岸にいる、少女を呼ぶ声とは誰の声なのか。
以上のような情報が省略され、読み手の想像に任されているわけです。

筆者もかつて渡ってきたという部分から、時間の経過に関わることがわかります。
将来に希望を持ち、未来への扉を開こうとする少女とかつての自分。
すでに未来へ到達した筆者が、素晴らしい現在を過ごしていることは、橋に対する描写から読み取れますが、同時に自分は二度とその橋を渡ることができないという寂しさを読み取ることもできます。

以上のような状況の推測ができれば、問いに対する答えは、その状況から外れることはないため、簡単に正解することができます。
「夢の広がる将来」
「希望があり心が高まる思い」
「題名…橋」

などが解答だと考えられるのです。

どうすれば状況の省略を読み取ることができる?

次に、状況の省略を読み取るためには、どのような学習をすればよいのかをお話しします。

①五感をフル活用しよう

五感とは、人間が外界を把握するために使う「視覚・嗅覚・触覚・味覚・聴覚」のことです。
これらの五つの感覚でとらえられる情報をつかむようにしましょう。
なんとなくで読み取ろうとしても、とっかかりがないと理解できません。
そのとっかかりとして、五感を使うようにしましょう。

②「いつ・どこ・だれ・何」をつかもう

季節や時間帯はいつなのか。
作者はどこにいるのか。
だれが出てきているのか。
作者は何をしているのか。
以上のような内容は、省略された情報であることが多いです。
詩を読んだ時は、詩に直接書かれた情報をもとに、この「いつ・どこ・だれ・何」にあたる内容を考えるようにしましょう

③絵に描いてみよう

詩の状況を絵に描くには、隠された情報を補完して、再構成する力が必要です。
A4くらいの紙を用意し、色鉛筆なども用いながら、①と②でつかんだ詩の状況を描いてみましょう。

おわりに

いかがでしょうか?
詩とは、ぎりぎりまで言葉を磨いた、作者の思いの結晶のようなものです。
問題演習をすることや、解説文を読み込むことなどで、詩が描いている状況を正確に読み取ることができるようになっていきます。
その際は、以下の三点に注意しましょう。
「五感を使うこと!」
「いつ・どこ・だれ・何をつかむこと!」
「絵に描いてみること!」

たくさんの詩を読んで、行間の想像力を鍛えていただければと思います!

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皆様とお子様が、笑顔で中学入試を迎えられますように。

お助け中学入試国語 ゆり

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